薫子様、一大事でございます!
北見さんの優しい眼差しに、どうしたらいいのか分からなくなる。
「……大丈夫です、あと少しですから」
「……だな。頑張れ」
「はい」
慌てるようにそそくさと私から離れると、入れ違いで早川さんがやって来た。
「薫子? どこか具合でも悪い?」
「ううん、大丈夫。ちょっと酔っただけですから」
「そっか。悪かったな、望月のこと」
さっき北見さんが座っていたところに腰を下ろす。
首を横に振って答えた。
「男同士の友達って、ああいう感じじゃないんですか? 私、女子高育ちだから全然知らないんですけど」
ちょっとビックリする部分はあったけれど、そういうものなのかと。