薫子様、一大事でございます!
「お待たせ」
「薫子ちゃん、ごめん。今、沙織と二人で反省会やってたよ」
「……反省会?」
「薫子ちゃんに嫌な思いさせちゃってさ」
「ごめんね」
望月さんと沙織さんが、揃って頭を下げる。
「やめてください。嫌な思いなんて……」
少し驚いただけで。
急いで頭を上げてもらった。
「薫子ちゃんみたいなタイプ、初めてで。つい調子に乗って余計なことばかり言っちゃったよ」
私って、そんなに珍しいタイプなの?
そういえば、北見さんにも珍獣扱いを受けることがあったっけ。
変なことを思い出して、ちょっぴり凹んだ。
「それじゃ、仕切り直ししましょうか」
テーブルには、沙織さんが頼んでくれたらしい料理と、新しい飲み物が運ばれていた。
「早川と薫子ちゃんの今後の発展を祈って――」
二度目の乾杯をしたのだった。