薫子様、一大事でございます!
解明不可能な事態発生!
「少し休んで行こう」
遠くから聞こえてきた声にコクンと頷く。
眠っているようで眠っていない。
フワフワと雲の上でも歩いている感覚が、私の瞼を固く閉ざしていた。
身体の後ろ半分に覚えた柔らかい感触。
ゆっくり目を開けると、照明の落とされた天井が見えた。
「大丈夫?」
視界を遮って現れた早川さんの顔に、グッと顎を引く。
身体を起こしてみると、そこはベッドの上だった。
「……ここ、どこですか?」
「Sホテルの部屋だよ」
「――えっ!? どうしてですか!?」