薫子様、一大事でございます!
「カコちゃんの両親は、今そこにいる」
持っていた調査書を北見さんが指差す。
そこには、遠く離れた住所が記載されていた。
二階堂家とは全く縁も所縁もない土地。
そこにお父様とお母様が……。
「直接確認したわけじゃないが、二人とも元気だ」
「そう、ですか……」
嬉しい反面、胸が苦しかった。
「なんだ、嬉しくないのか?」
首を横に激しく振った。
「嬉しいです。……でも……」
「会いに行くんだろ?」
当然のことのように北見さんが訊ねる。