薫子様、一大事でございます!
芙美さんが北見さんに依頼してくれなかったら、見つけ出すことはできなかった。
「北見さん、探し出してくれてありがとうございました」
北見さんが短く「あぁ」と頷く。
北見さんが探してくれなかったら、一生会えなかったかもしれない。
「滝山、こんな私に付き合ってくれて、いつもありがとう」
「――勿体無いお言葉!」
滝山は恐縮したようにペコペコと何度も頭を下げた。
滝山が一緒にいてくれたから、こうして芙美さんにも北見さんにも出会えた。
三人とも、私にはもったいないくらい素敵な人たち。
「そうと決まれば、早いに越したことはございません。薫子様、すぐにも参りましょう」
「……そうね」