薫子様、一大事でございます!

――――――――
 ――――――

「さ、薫子様、着きました」


北見さんが調べてくれた最寄り駅に到着した私たちは、改札を抜けて駅の外へと出てきた。


真っ先に目に飛び込んできたのは、果てしなく広がる畑だった。


ローカル線に乗り換えたあたりから、何となく予想はついていたものの。

実際に目の当たりにすると、圧倒されてしまう。



「……すごい田舎ね」

「そうでございますね」


二人は、こんなところにいるんだ……。


ビルばかりの街並みとのギャップに戸惑う。

滝山と二人、茶色い景色にしばらく見入ってしまった。

< 329 / 531 >

この作品をシェア

pagetop