薫子様、一大事でございます!
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“北見さんに駅まで迎えに来てくださるようお願いしてあります”
北見さんが迎えに……。
駅で私を待ってくれている。
駅までのタクシーの中、滝山の言っていたことを思い出しては、はやる鼓動を抑えきれずにいた。
ところが、5日前に降り立った駅に着いてみても、北見さんの姿はどこにも見えず。
地元の人がポツリポツリといる以外に、私を待ってくれているという北見さんはどこにもいなかった。
……どうしたんだろう。
携帯を開いてみるけれど、ここへ来て2日目に充分でなかった電池が切れてしまい、今もそのまま真っ暗な画面。
充電器も持たずに来た私と滝山の携帯は、無用の長物と化していたのだった。