薫子様、一大事でございます!
へぇ。
ほんの数ミリの違いでイケメンかそうじゃないかに分類されるんだ。
そのとき不意に、パッチリと大きく開いた瞼。
――ひゃあっ!
驚いて、座った状態で後ろに飛び退いた。
「俺の顔を何だと思ってる」
「――ご、ごめんなさい!」
ベッドにひれ伏す。
北見さんはモゾモゾと動いた後、ゴロンと仰向けになって大きく伸びをした。
そして、ゆっくりと起き上がると、片膝を立てて私に鋭い視線を送ってよこす。
「……あの……怒ってますか?」