薫子様、一大事でございます!
「あっ、すみません。今ちょうど話すところだったんです」
北見さんがすかさず謝る。
「いやだねぇ、昨日から一緒にいたくせに、今頃になって話すなんて」
「……すみません」
「それどころじゃないほど、二人で一体何をしていたんだい?」
いたずらを含んだ瞳で交互に北見さんと私を見るから、私まで顔に火の手が上がる。
さすがの北見さんも頭を掻くばかりだった。
「でもまぁ、昨日は北見さんに時間がなくて、依頼内容までは話せなかったしね。麻紀ちゃんも一緒じゃなかったし」
「……ほんとすみません」
恐縮しっぱなしの北見さん。
芙美さんにやり込められ気味の北見さんを助けようと