薫子様、一大事でございます!
「芙美さんに相談したら、探偵事務所にお願いしてみたらって」
芙美さんと頷き合う。
「それで、ここを紹介してもらったのよ」
「北見さんなら何とかしてくれるんじゃないかと思ってさ」
芙美さんの何気ないひと言。
“北見さんなら”
明け透けに言われると私の立場が……。
正しいことを言っているだけに、言い返すこともできないのだけれど。
シュンとなった私に気づいたのか、北見さんが慰めるように私の肩をトンと叩く。
「あらいやだ、薫子ちゃん、そんなつもりで言ったんじゃないんだよ? ストーカーっていうくらいだからね、男の北見さんの方が適任じゃないか」
「そうですね、はい。大丈夫ですから」