薫子様、一大事でございます!
芙美さんは、そのやり取りを心配そうに横から見つめていた。
「……そう。それじゃ、お願いするわ。早速なんだけど、今からお店に出なくちゃならないから警護をしてほしいの」
「今からですか!?」
思わず聞き返す。
そんなに早急だとは思いもしなくて。
「薫子さん、だったわよね? 私と一緒に店に出てほしいの」
「――はい!?」
私が店に!?
ホステスに化けるってこと――!?
「そうすれば、近くで見張れるし、ストーカーの調査をするにはうってつけでしょ?」
「で、でも、私、そんな服は持ってないですし、」
麻紀さんを手で指し示す。