薫子様、一大事でございます!
似合わないってことなのかな。
北見さんの本心を聞いた上、この格好まで否定されてひどく落ち込む。
「あらまぁ、薫子ちゃん、素敵よー」
芙美さんがそう言ってくれることで、少し救われる気がした。
「さてと、そろそろ行きましょ。遅刻しちゃうわ」
麻紀さんは私と並んで歩き出し、北見さんには離れたところからついてくるよう指示したのだった。
店までは、ここから歩いて10分ほどだと言う。
周りを気にしながら歩いてみるけれど、麻紀さんが言うような怪しい人は確認できず。
後をつけてくるのは北見さんだけ。
……私が鈍いのかもしれないけれど。