薫子様、一大事でございます!

――バレちゃう!


思わずギュッと瞑った目。


一巻の終わり。

そう覚悟した私に「新人?」というDCHの声が掛かる。



……え?



目を開けてみると、DCHはさっきと何ら変わらない表情で私を見ていたのだった。



……もしかして、気づいていない?



普段と違うメークのせい?


「そうなの。今日から入店したの。名前は、」


心臓が高鳴る。

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