薫子様、一大事でございます!
よくよく見てみると、北見さんの傍らには男の人がいて。
「……そちらの方は?」
目を瞬きつつ聞いてみる。
新たな依頼人かしら。
こちらに背を向けて座っている男性の前へと回り込む。
その男性は、恐縮したように身体を小さくして座っていた。
私と目も合わせようとしない。
オドオドとした様子だった。
どうしたんだろう。
そのまま北見さんへ視線を向けると
「麻紀さんのことを付け狙っていた男だ」
――え?
それじゃ、ストーカー?