薫子様、一大事でございます!
「……分かればいいのよ」
麻紀さんの許しを得て、吉池さんは脱力したようにソファにドーンと腰を下ろした。
と同時に、私もホッと胸を撫で下ろしたのだった。
「大学にきちんと合格して、ちゃんと卒業、就職してからもう一度来なさい」
「……はい?」
麻紀さんの言葉に、吉池さんだけでなく北見さんも私も目を見開く。
「そのかわり、普通レベルじゃ納得しないわよ。エリートじゃなくちゃ」
吉池さんは、スッと立ち上がると
「分かりました! 約束します! エリートになって麻紀さんを迎えに来ます!」
胸を張って宣言したのだった。