薫子様、一大事でございます！

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「店の方は大丈夫だったか？」


二人きりになった事務所で、北見さんがコーヒーを淹れながら私を見た。


「……はい、大丈夫でした」


本音を言えば、北見さんが店から姿を消して、不安でいっぱいだったけれど。

おまけに、DCHまで出くわして、命が縮む思いだったけれど。


北見さんには、少しは私も頼りになると思ってもらいたい。

強がって答えた。


そんな私の思いなんてお見通しなのか、2つ分のコーヒーを淹れた北見さんはカップをテーブルに置くと、私の頭をポンポンと撫でたのだった。


見上げた私に、優しい笑みが返される。