薫子様、一大事でございます!
そして、そのままコーヒーを一口。
――あっ。
間接キスだ……。
北見さんは意識することなんて全くなく。
対して私ときたら、一人で勝手にドギマギ。
妹としてしか見ていない相手なら、気にする事がなくて当たり前よね……。
妹認定の後押しをされた気分だった。
「……あれ?」
こっちも苦い。
交換されたはずのコーヒーを一口飲んでみたものの、砂糖が入っている様子がない。
「北見さん、こっちもブラックみたいです」
「そうだった? どれ……」
「――あっ」