薫子様、一大事でございます!
私から、再びカップを奪い取る。
そして、同じところに口を付けた。
二度目の間接キス――。
「北見さんって、意外とドジですか?」
そう茶化すことでドキドキを鎮まらせようと試みる。
「カコちゃんに言われたくないな」
北見さんがクスッと笑う。
「私はドジじゃないです」
「無自覚ほど怖いものはない」
無自覚だなんて。
「ひどいです」
「わざとだったら?」
「……はい?」
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