薫子様、一大事でございます!
――!?
「む、無理です無理です」
右手を顔の前で大きく振って辞退した。
「結構楽しくやってたみたいだったけどな」
クロを挟んで隣に座っている北見さんがチラリと私を見る。
意地悪な目だ。
「そ、それを言うなら、北見さんだってお店のナンバーワンにお酒を注いでもらって嬉しそうでしたよね」
「ナンバーワン?」
「北見さんに付いてた人、あのお店のナンバーワンなんですって。麻紀さんが言ってました」
「なるほどね」
北見さんは大きく何度が頷いた。
「確かに綺麗だし、気が利く女性だったな」