薫子様、一大事でございます!
それが、すぐ近くからしていることに気づいて、パッと身体を起こした。
と同時に、こめかみに痛みが走る。
眩暈に目を閉じると
「まだゆっくりしていた方が良さそうですね」
再び声を掛けられた。
「ここがどこだか分かりますか?」
言われて、今いる場所に目を凝らす。
――どういうこと!?
ハッと息を呑んだ。
「驚きましたか?」
「どうしてっ」
「僕たちの新居です。薫子さんは住み慣れた部屋の方がいいだろうと思って。あ、ちなみに、僕たちの寝室はまた別の部屋を用意していますけどね」