薫子様、一大事でございます!
ケケケと薄気味悪く、DCHが笑った。
見覚えがないというのは、私の目の誤作動だった。
そこは、私が以前まで両親と住んでいた家だったのだから。
「売りに出されていたのを僕が買ったんですけど、お気に召しませんか?」
そんな……。
全身から力が抜けていく。
「これから身の回りの世話は、珠美がやりますので」
ドア近くに立っている女性を指差す。
「何なりと言ってやってください」
珠美と紹介された若い女性は、無表情で頭を下げた。
「それと、ここから帰れることはないですから。脱出なんて諦めてくださいね」