薫子様、一大事でございます!
幸いなことに、この部屋にはシャワーもトイレも冷蔵庫も備えているから、それほど不自由はしないのだけれど。
DCHの言っていた通り、ここから出ることは安易ではなさそうだった。
それにしても、DCHと北見さんに一体どんな繋がりがあるんだろう。
確かに北見さんを知っている素振りだった。
DCHと顔を合わせるのは、地球がひっくり返ろうがイヤだけど。
北見さんのことを知りたいという気持ちに勝るものはなくて。
珠美さんが運んできた食事を一人でとった後、部屋の外で待機する珠美さんに、DCHの部屋まで案内するようお願いしたのだった。
久しぶりに戻った、私の元家。
広い廊下を歩いていると、いろんな思い出が蘇ってくる。
あの頃は、滝山の他にも執事が何人かいて、いつだって家の中は賑やかだった。