薫子様、一大事でございます!

そんなわけがない。

私が寂しいのは、この家の現状と、北見さんに会えないこと。


「さぁ、そこに座ってください」


部屋の中は、お父様が使っていたものは何一つ残されていないようだった。

全てが一新され、そこに昔の面影は見えなかった。


小さなテーブルと、ソファが2客。

その二人がけソファへと座らされると、隣にDHCが腰を下ろした。


触れそうになった身体を離すべく、腰を浮かせて距離を取る。

それに気づいたDCHはクスっと、意味の取りかねる笑みを浮かべた。


「北見さんのことを知ってるんですか?」


長居は無用。
早速切り出した。

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