薫子様、一大事でございます!
「それで?」
「それからずっと仕事を手伝ってもらっていました」
「そうそう。それも驚きましたよ。薫子さんが探偵だなんてね」
そんなことはどうでもいい。
それより早く北見さんのことを――……。
「北見さんと……大介さんとはどういう関係なんですか?」
名前を呼ばれて、DCHはニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた。
「僕と涼夜は――」
そのとき、言葉を遮るように部屋のドアが大きく開かれた。
「ちょっと失礼するわよ」
「――一体何の騒ぎだ」
「この前来たとき、ここに落し物なかった?」
入ってきた女性が床のあちらこちらと探し回る。