薫子様、一大事でございます!
「大介さんの母親が正妻で、涼夜さんと私の母親は二人とも愛人。ちなみに、女親は3人とも亡くなっているわ」
予想を遥かに超えた話に頭が付いていかない。
そこで、ふと思い出したことがあった。
北見さんが私の両親の行方を捜してくれたときのことだ。
“二階堂の娘だったとはね”
確かにそう言っていた。
そのときは、ただ単にNIKAIDOHを知っていただけのことだと思っていたけれど。
……そういえば、“DCHか”とも言っていたような気がする。
つまり、北見さんは私の両親の行方を調べる時点で、私がNIKAIDOHの娘で、DCHが結婚を申し入れた相手だと知っていたということだ。
それなのに、私には自分の正体は明かさずにいた。
ショックだった。