薫子様、一大事でございます!
DCHに話したときのように経緯を話すと、沙織さんは「アイツったら、本当にダメ人間ね」と吐き捨てるように言った。
「涼夜さんを常盤ハウジングから追い出したくて、春日にやらせたのよ、きっと」
初めて会った夜に負っていた怪我は、あの屈強そうな春日という男の人によるものだったらしい。
今考えれば、北見さんが私のお願いを聞き入れて、あの事務所に残ってくれたことも納得がいく。
普通の成人した男の人なら、住む場所はおろか、仕事だって持っているはず。
それが、簡単に承諾してくれたのだから。
そんなことも考えずに、喜んでばかりだった私って……本当に世間知らずだ。
「ねぇ、薫子さん、」
沙織さんがもう一度座って、私に顔を寄せる。