薫子様、一大事でございます!
「春日とかいうヤツなら、外で伸びてるよ。この前の借りをやっと返せたよ」
パンパンと手を払う。
北見さんは私のそばに駆け寄ると、隣にいたDCHをベッドに押し倒した。
DCHから「うぐっ」という呻き声が漏れる。
咄嗟に立ち上がって、私はベッドから離れた。
「彼女に変な真似はしてないだろうな」
腕で胸元を締め付け、北見さんが詰問する。
「ぐっ……は、離せっ……」
もがいても、北見さんはその手を緩めようとはしなかった。
そんな北見さんを見るのは初めてで、自分の置かれた立場を急に思い出して怖くなる。