薫子様、一大事でございます!
「カコちゃん、」
北見さんが不意に振り向く。
「コイツに何もされなかったか?」
「……はい」
私、DCHのプロポーズに頷くところだった……。
改めて思い返して、恐ろしい選択をするところだったんだと身体中が震え出した。
「大介、こんなことさえしなければ、俺は身を引くつもりだったんだ。だがな、もう黙っていないからな」
「――なにっ!?」
頭を持ち上げようとしたDCHを、北見さんがもう一度ベッドに沈める。
「彼女をこんな目にあわせた落とし前は、きっちり払ってもらうぞ」
「う、うるさい! お前に何ができるというのだ」