薫子様、一大事でございます!
「とにかく、これ以上、二階堂薫子に近づくな。話は以上だ」
パッと手を離してDCHを解放する。
DCHは喘ぐように息を吸い込み、身体をよたよたと起こした。
「カコちゃん、行くぞ」
床に座り込んでいた私の手を引き上げ、北見さんが私の背中を押す。
部屋を出ると、そこには北見さんが言っていた通り、春日さんが伸びていた。
まさか……
「あの、」
「大丈夫だ。俺が殺すわけがないだろ」
胸を撫で下ろした。
北見さんが私の手を取り走り出す。