薫子様、一大事でございます!


思えば、こうして助け出されるのは二度目だ。


いつだって、私のピンチのときには北見さんが現れて。

身体だけじゃなく、心ごと私をさらっていく。


確かに、確実に。

胸に感じた震えは、北見さんという存在全てが起こしているものだと改めて悟った。


「行くぞ」


肩越しに言った北見さんに頷くと、バイクは走り出した。






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