薫子様、一大事でございます!
パッと振り向くと、座っているとばかり思っていた北見さんがすぐ後ろにいて。
ドキンと鼓動が跳ねる。
「……私が困るんです」
小さい声になりながら
「妹にしか見てもらえなくても、それでも北見さんと一緒にいたいです」
やっとの思いで打ち明けた。
「……妹?」
「あ、いいんです。それでも」
「俺が、カコちゃんを妹だと思ってるって?」
「……違うんですか?」
妹としてすら見てもらえないのだとしたら、私は一体……。
「俺は、こんな手の掛かる妹ならいらない」