薫子様、一大事でございます!
「ちょっとちょっと! 薫子ちゃん!」
ドンドンドンと足音を響かせて、芙美さんが舞い戻る。
「どうかしましたか?」
「一大事だよ、一大事!」
一体何が……?
首を傾げた次の瞬間――
「薫子様、お久しぶりでございます」
「――滝山!?」
芙美さんの後ろから現れた滝山に驚いて、お茶碗を膝の上に落としてしまった。
「きゃっ」
「大丈夫でございますか!?」
私の元へ滝山が慌てて跪く。