薫子様、一大事でございます!
包み紙を取りながら言うと、一口でそれを平らげた。
「前にも申し上げましたが、私は薫子様が嫁がれてもお仕えいたしますので」
「……ありがとう」
……でも。
「滝山はそれでいいの? お父様とお母様の元がいいんじゃない?」
「お二人は大丈夫です。私がいなくても楽しくやっていけますから。それをしかとこの目で見届けて参りました。それに、薫子様のことを託されましたし」
「よかったね、薫子ちゃん」
滝山が私の手をギュッと握る。
大きな温かい手がやけに私をホッとさせた。