薫子様、一大事でございます!

「おっ、テレビじゃないか」


思わずその場にへたり込んだ。


「薫子様!」

「おいおい、カコちゃん、大丈夫か?」


滝山と北見さんの手が差し伸べられる。


「どうして?」


北見さんを見上げた。


「社長を就任するのではなかったのですか?」


滝山が私の代弁をしてくれた。


「最初からそのつもりはなかったよ」


私の手を引いて立たせると、近くのソファへと座らせた。


「銀さん、急なわがままに付き合っていただいて申し訳ありませんでした」

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