薫子様、一大事でございます!
「行かないでください」
「……カコちゃん?」
北見さんの瞳が揺れる。
「一緒にいてほしいんです」
「――か、薫子様? そ、それは、」
「北見さんがいないと、私……」
ギュッと唇を噛み締める。
胸が締め付けられて苦しかった。
「カコちゃ――」
「依頼を遂行できる気がしないんです」
「……へ?」
北見さん、滝山、芙美さんの3人が揃って口をポカンと開ける。
「滝山も私も、探偵ごっこにしかならなくて。今回のモモだって、北見さんがいなかったら、きっと見つけられなかったと思うんです。
だから……お願いです、北見さん、私と滝山を見捨てないでください」