薫子様、一大事でございます!

これまでになく大きな溜息を北見さんが漏らした。


「カコちゃん、あのさ、」

「はい」

「期待を持たせるような言い回しはしないでもらえる?」

「はい?」

「愛の告白かと思ったじゃないか」


――え!?


あ、愛の告白!?


どうして?


カーッと一気に熱くなる頬。


そんなつもりなんて、全然なくて。

ただ本当に、北見さんに出て行かれたら困ると思ったまでで……。

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