薫子様、一大事でございます!
「そうだね。この際何の飲み物だって構いやしないよ。私がとびきり美味しいのを淹れるから、みんなは座って待ってて」
芙美さんの言葉に甘えて、私たち3人は腰を下ろした。
すると、見計らったかのようにモモと黒猫が北見さんの膝をめがけてジャンプ。
「ふふふ。北見さんってば、二匹に相当気に入られていますね」
さっきから、北見さんのそばばかり。
見つけてくれた恩人だと分かっているのかな。
「猫はあまり得意な方じゃないんだけどね」
「そうなんですか」
「どちらかというと、犬派だ」
「それは私も同じでございます」
滝山が大袈裟に握手を求める。
半ば強引に手を握ると、満足したように頷いた。