薫子様、一大事でございます!
「ところで、コイツの名前はどうするんだ?」
北見さんが黒猫を見る。
……そうよね。
名前を付けてあげなくちゃ。
全身余すところなく真っ黒。
それなら……
「クマ」
「え?」
北見さんが聞き返す。
「ク・マです」
「クマ!? なんでクマなんだ? やっぱりカコちゃんのネーミングセンスはおかしいぞ?」
クツクツと笑う。
何がそんなにおかしいのかしら。
私にはさっぱり分からない。