薫子様、一大事でございます!

そう言われると、カラスが不憫にも思えてくる。


うーんと頭を捻った。



…………。



クマでもクロでもカラスでも、もう何でもいいような気がしてきた。


でも、名前は一生もの。

真面目に考えてあげなくちゃ。


「……どうしたらいいでしょうか」


ぬいぐるみはおろか、動物に名前なんて付けたこともなかった私。

クマを却下され、頭の中は真っ白になってしまった。


「もういいんじゃないか? クマで」


投げやりに言い放つ。


< 86 / 531 >

この作品をシェア

pagetop