薫子様、一大事でございます!
そう言われると、カラスが不憫にも思えてくる。
うーんと頭を捻った。
…………。
クマでもクロでもカラスでも、もう何でもいいような気がしてきた。
でも、名前は一生もの。
真面目に考えてあげなくちゃ。
「……どうしたらいいでしょうか」
ぬいぐるみはおろか、動物に名前なんて付けたこともなかった私。
クマを却下され、頭の中は真っ白になってしまった。
「もういいんじゃないか? クマで」
投げやりに言い放つ。