薫子様、一大事でございます!
北見さんにはコーヒー、私たちにはお茶の入ったコップを配ると、高らかに「かんぱーい」と声を上げた。
「カコちゃん、」
北見さんが、私の耳元にそっと口を寄せる。
なんだろう? と耳を澄ませると
「ここは変わり者が多いな」
滝山と芙美さんには聞こえないように小さな声で囁いた。
「そうですか?」
私には、変わっているようには見えないけど……。
息をふうふう吹きかけながら熱いお茶を飲む二人を見た。
滝山も芙美さんも、私にいろいろと教えてくれる素敵な人だ。
「ま、カコちゃんはその筆頭だ」
……ヒドイ。
頬を膨らませてみせたものの、北見さんはハハっと軽く笑い飛ばしてコーヒーに口を付けた。