トリックオアトリート
ライルの言った方向に歩き続けたリラは大きな扉の前に立っていた。
リラ「でかい扉だな……この先に俺の親がいんだよな?」
ライル「うん、僕が連れてこいと言われたのはここだよ」
リラ「ふぅん」
興味なさげに返したリラを気にする素振りを見せないライルは何かを考え込むように下を向いた
思いつめたようにも見えるライルはリラの黒い瞳を真っ直ぐ見つめて言った
ライル「ねぇ、リラ?僕、本当にここにいていいの?」
リラ「お前は馬鹿か」
ライル「なんでさ!てか、今言う!?僕真剣に聞いてるんだけど!?」
リラ「お前はアレだ、アホだ。一緒に来いってさっき言ったろ?」
でも、と言いかけたライルの口を人差し指で止めた
妖しく微笑んだリラは一瞬、女に見えた。
ドキッと高鳴ったライルの胸の内を知ってか知らずかリラは笑った
リラ「俺はお前に隣に立ってろって言った。それは命令であってお願いじゃないんだ。
だから、誰に何を言われようが俺の命令だと胸を張っていろ。分かったな?」
ライル「はい。承知致しました、リラ様」