想いを響かせて〜詩〜
「Scent」
もうすぐ今年も終わりね
両手で支えていたティーカップを
ソーサーへ戻しながら
窓の外を見つめる君
一緒に過ごすようになって
どれくらいの年月が過ぎただろう
冷たい風で木々が揺れ
木の葉が舞う
幼かった昔の僕らは
よくケンカもしたけど
今はお互いが一番
わかりあえる存在で
そばにいるのが当たり前になっていた
返事をしない僕を
不思議そうにじっと見つめてきたから
ふっと微笑み返した
いつもありがとう
紅茶の香りに包まれながら
君も微笑んだ