弟、時々恋、のち狼
そっと、ロウの頬がアタシの首筋を離れる。
「わかってる」
じっとアタシの目を覗き込む、明るい茶色の瞳。
まるで魔力でもあるかのように、惹き付けられて視線をそらせない。
「愛してる」
ふんわりと、唇が触れた。
優しく。
だんだんと、激しく。
ーーロウも、変わったのかもしれない。
なんとなく、思う。
ーーこのヒトに、愛されたい。
窓の外、遠くに学校のざわめきを聞きながら、アタシは、静かに瞳を閉じた。