弟、時々恋、のち狼
「では今日はここまでです。ご苦労様でした」
「ご苦労様でした!」
部長の声で全員が一斉に立ち上がる。
勢いのいいあいさつをすると、思い思いに楽器を片付け、散っていった。
アタシは、トロンボーン志望の女の子と一緒に、イスを片付けたり、楽器の置き場所を確かめて歩いたりした。
隣のクラスだという彼女、キミちゃんは、とてもゆっくりした性格で、アタシでも落ち着いて話すことができた。
ロウと一緒にいたいがために入部を決めただけなのに、思いがけず、すてきな出会いだ。
「ミフウちゃんの家は~?どっち?」
もう西日の眩しい校庭を並んで歩きながら、キミちゃんは自分の家の方向を指差している。
「ご苦労様でした!」
部長の声で全員が一斉に立ち上がる。
勢いのいいあいさつをすると、思い思いに楽器を片付け、散っていった。
アタシは、トロンボーン志望の女の子と一緒に、イスを片付けたり、楽器の置き場所を確かめて歩いたりした。
隣のクラスだという彼女、キミちゃんは、とてもゆっくりした性格で、アタシでも落ち着いて話すことができた。
ロウと一緒にいたいがために入部を決めただけなのに、思いがけず、すてきな出会いだ。
「ミフウちゃんの家は~?どっち?」
もう西日の眩しい校庭を並んで歩きながら、キミちゃんは自分の家の方向を指差している。