弟、時々恋、のち狼
「だって……」


学校にバレたら、大変なんでしょ?

それに。
アタシなんかと噂になったら……ロウのシュミが疑われてしまう。


「あ、そう。
オレといるの、見られたくないんだ。どぅせオレはもうオジサンですよ。
わかった。離れて歩こう」


「え!?ちがっ!!」


ツンとそっぽを向いたかと思うとそのままスタスタ先に行く。
その足は、走ってるわけじゃないのに、やたらと早くて……。
薄手のジャケットを羽織った背中が、どんどん小さくなっていって。


「待って!!」


たまらなく、心細い。

この数瞬で、全身が悲鳴をあげていた。

前世がどうこう言ったって、アタシたちはまだ出会ってわずかなのに。
それなのに、アタシは、こんなにもロウを失うことを怖がっている。

こんなにも、ロウが好き。


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