弟、時々恋、のち狼
「ちょっ!!汚いよ!?」
抗議はロウに届かない。
慌てて手を引っ込めようとしても、見かけによらず強い力が、またしてもアタシの自由を制限する。
結局、ドキドキしながらも、なされるがまま、だ。
「……ラッラどうしちゃったんだろうね……っ」
とりあえず話題を変えなきゃ……と、思いついたままを口にしてみた。
声が上擦っているのが我ながら情けない。
でも、声にしてみると改めて、心配な気持ちが湧いてくる。
あの、ラッラの様子……。
確かに、おかしい。
痛いだのなんだのばかり言っているわけには、いかなさそうだ。
「ラッラらしく……ないよね」
いくら幸せでも。不謹慎だよ。
ラッラのことを思えば、ときめいてばかりなんて、到底、いられない。
「今までもこういうこと、あったの……?」
考え始めると、次第に恥ずかしさや緊張が薄れていく。
ロウも、アタシの言葉に体を起こし、考えこむように首を傾げた。
……だだし、手は、しっかりとつないだまま。
抗議はロウに届かない。
慌てて手を引っ込めようとしても、見かけによらず強い力が、またしてもアタシの自由を制限する。
結局、ドキドキしながらも、なされるがまま、だ。
「……ラッラどうしちゃったんだろうね……っ」
とりあえず話題を変えなきゃ……と、思いついたままを口にしてみた。
声が上擦っているのが我ながら情けない。
でも、声にしてみると改めて、心配な気持ちが湧いてくる。
あの、ラッラの様子……。
確かに、おかしい。
痛いだのなんだのばかり言っているわけには、いかなさそうだ。
「ラッラらしく……ないよね」
いくら幸せでも。不謹慎だよ。
ラッラのことを思えば、ときめいてばかりなんて、到底、いられない。
「今までもこういうこと、あったの……?」
考え始めると、次第に恥ずかしさや緊張が薄れていく。
ロウも、アタシの言葉に体を起こし、考えこむように首を傾げた。
……だだし、手は、しっかりとつないだまま。