弟、時々恋、のち狼
「ひどいですぅ」
「あはははは」
爆笑する彼の肩で丸まる姿は、ただの愛らしい子猫そのもの。なのに。
……何モノ?
いつまでも笑い続ける彼に怒りの爪をたてて振り落とされたラッラは、今度は、アタシの前にちょこんと座った。
神秘的な大きな瞳がこちらを見つめる。
「アタクチとしたことがシツレイしました。ミィはキオクをナくしてたんでしたわぁ」
……ミィって、もしかしてアタシのことだろうか……。
「アタクチはラッラ。あちらはロゥ」
そういえば、さっきもそんな名前を言っていたかもしれない。
王子サマっぽい見た目には、ちょっと似合わない気もするが。
ロゥ。
……郎?狼?
それとも……。
「アタクチはミィとロゥのおセワヤク。おメツケヤクでもあるんですぅ」
………………は?
なんか……意味、わかんない。