弟、時々恋、のち狼

こんなかっこいい人を見たのも初めてなら、男の人とあんなに接近したのも初めて。

それだけでも十分刺激的なのに……子猫がしゃべって、しかもお世話役兼お目付役?

一体どうやったら猫が人間の世話をできるやら……。


絶対、ありえない。


わけがわからなすぎて、頭がクラクラしてくる。


夢ならイイけど……。
腹話術……も、あり得るよね。


もしかして、アタシ、やっぱり逃げた方がイイかも?


「そして、ロゥはミィのオトウト。
あなたがたは、イダイにしてセイなるチカラをウけツぐ……」


ダメだ。

最後まで聞かず、アタシは気力を振り絞ってくるりと後ろを向いた。
と、そのまま一気に駆け出す。


ムリ……あぶなすぎ!


< 15 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop