弟、時々恋、のち狼
なんだってこんなことになったんだろう。
もう、ヤだ。
アタシはそんな特別な人間じゃない。
「特別」への憧れは確かにあった。でも、それはあくまで夢物語。
現実のアタシはちっぽけだ。
明日の予定を淡々と話す担任の声を聞きながらも、胸のうちのムシャクシャはどんどん大きくなっていく。
あぁ、もうっ!!
帰りの号令に合わせて形ばかりの礼をすると、アタシは、さっさと教室を出た。
誰かに声をかけられないように。
誰にも八つ当たりしてしまわぬように。
もう……全部面倒くさいよ。
みんなもう、どうだってイイ。
……もう、知らない…………。