弟、時々恋、のち狼
王子サマにも子猫にも、絶大な魅力がある。
でも、それはあくまで、普通なら、の話。
「ミィ!?」
頭に春がきちゃったイケメンと変な生き物の最強コンビになんて、関わりたくない。
「どこイくんですぅ?」
甘ったるい声が背中を追ってくる。
変な生き物なのか腹話術なのか、そんなことはもう、どうでもいい。
……どっちにしたって、相当危険だ。
アタシは振り返らず、ひたすら、必死に、走りつづけた。
ヤだもうっ!
誰か助けて!!